菩提樹のオルゴールレクチャーコンサート
リュージュ・オルゴール コンサート
「オルゴールが奏でる19世紀ロマン派」
という、スイス・リュージュ社のオルゴールを菩提樹のホールで間近に聴き、見て、触れられるレクチャーコンサートへ行った。
優しいフォルムの木箱のオルゴールは蓋を開けずに小さなボタンをそっと押されると、軽やかで明るい音が流れ出た。
透き通ってまろやかな音色と、普段オルゴールではあまり聞いたことのない曲と、演奏される曲の長さに驚きと嬉しさが部屋中に広がった。
スイス・リュージュ社の国内総代理店の畠中さんという方が、オルゴールの歴史や背景の文化を紹介してくださった。
カリヨンという教会の鐘が様々な音色で時を告げていた14世紀、自宅でも楽しみたいと柱時計の形で作られたものがオルゴールの原型だそうだ。
フランス革命後、スイスに亡命していた時計職人が、部品がそろわない中で工夫して作った小さなオルゴールが世界最初の現在形オルゴールと言われていて、それは今、スイスではなくて!日本の京都嵐山にあるということだった。
小さくて綺麗な音が出る、愛らしいものと思っていたオルゴールだったが、その歴史を聞いていくと西洋の人々の生活が浮かび上がってきて、いろいろな興味が湧き上がってきた。
オルゴールは金属の櫛(コーム)を歯車のピンが弾いて音が出て、それはそれぞれ、原理としてピアノが鍵盤を指で叩いて演奏するのと対応している。
くしの部分の鋼は男性が鍛え、ピン打ちは女性の冬の仕事という分業だったため、当時の西洋が男性中心社会だった中で、オルゴールの製作は女性も重要 な役割を担っていたのだそうだ。
オルゴールの選曲は、ピンを打ちオルゴールを組み立てる女性達がした。
だから、オルゴールに入っている曲が優しく女性らしいものや、女性作曲家の作品が多いそうなのだ。
最初に聴いたオルゴールには、クララ・シューマン、ファニー・メンデルスゾーン、アルマ・マーラーの曲が入っていて、それはそれぞれシューマン、メンデルスゾーン、マーラーの妻達女性の作曲したものだった。
「小さなオルゴールは反響するものによって聞こえ方が違い、ピアノの中が一番綺麗な音がします。」
と畠中さんがおっしゃって、オルゴールの後ろにあった千佳さんのグランドピアノの蓋を開けたとき、空気の圧力でオルゴールの音がふうわーっと膨らんだ。
空気の振動で音が耳に届くことを目と耳と肌で感じた。
見えない空気が菩提樹のホール全体にあって、オルゴールやピアノや自分達がつながっているような不思議な感覚だった。
手でねじを巻く。
ぜんまいの渦がきつく巻かれて緩む力を動力とする。
ねじを巻いたばかりの強く元気な音色、弱くなって眠くなるような音色。
その繰り返しがオルゴールの魅力。
レクチャーの最後にJ.パッヘルベルのカノンを聴きながら、
カノンのもつ繰り返しの中にあるのも、
「幸せが繰り返し来ますように。」
という優しいお祈りだと畠中さんが教えてくれた。
(以下のリュージュ社のHPで試聴することが出来ます)
| 固定リンク
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 備忘録・ゲーテ 「水上の精の歌」一七七九年(2012.04.08)
- 備忘録・エリアーデ(2012.03.13)
- Absence in existence(2011.09.18)
- 金沢21世紀と18世紀(2008.08.25)
- 菩提樹のオルゴールレクチャーコンサート(2009.09.01)


コメント
seihaさま
コメントありがとうございます。
私もchikaさんからよくお話を伺っていました。
美しい書の作品やブログも拝見してました。
chikaさんが繋いでくださったご縁ですね。
今後ともどうぞどうぞよろしくお願いします。
wako
投稿: wako | 2009年9月 1日 (火) 19時19分
米山様
始めまして!
突然のコメントお許しください。
千佳さんからかねがね、お話をうかがい
ブログも読ませていただいておりました。
お目にかかりたいと思いながら、叶わなかったのですが、オルゴールのコンサートでご一緒だったなんて・・・
素敵なレポートをありがとうございました。
HPで視聴しながらいろいろ思い出しております。
またいつかお目にかかれることを楽しみにしております。
投稿: seiha | 2009年9月 1日 (火) 18時05分